食品に含まれる糖質は、消化・分解されてブドウ糖となり、体や脳が活動するためのエネルギー源として使われます。ブドウ糖は腸で吸収されて肝臓へと運ばれ、血液に含まれて体のすみずみに届けられます。この血液中のブドウ糖が増えすぎて、尿に糖が出る病気が糖尿病です。
糖尿病で怖いのは、さまざまな合併症が全身にあらわれることです。中には生命の危険を脅かす病気もあります。
厚生労働省が実施した、平成9年の糖尿病実態調査によると、「糖尿病が強く疑われる人」は690万人にも上り、40歳以上になると5人に1人が糖尿病といわれ、今後、さらに増えることが予想されています。
【1型糖尿病】
膵臓のβ細胞というインスリンを作る細胞が破壊され、体内のインスリンの絶対量が足りなくなって起こります。子供のうちに始まることが多く、以前は小児糖尿病とか、インスリン依存型糖尿病と呼ばれていました。
【2型糖尿病】
インスリンの出る量が少なくなって起こるものと、肝臓や筋肉などの細胞がインスリン作用をあまり感じなくなる(インスリンの働きが悪い)ために、ブドウ糖がうまく取り入れられなくなって起こるものがあります。食事や運動などの生活習慣が関係している場合が多く、わが国の糖尿病の95%以上はこのタイプに該当。
【遺伝子の異常やほかの病気が原因となるもの】
遺伝子の異常や肝臓や膵臓の病気、感染症、免疫の異常などのほかの病気が原因となって、糖尿病が引き起こされるもの。薬剤が原因となる場合もあります。
【妊娠糖尿病】
妊娠中に発見された糖尿病。新生児に合併症が出ることもあります。
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