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厚労省、指導強化へ
健康診断で「肥満」「高血圧」「高コレステロール」「高血糖」という生活習慣病の四つの“予兆”を指摘された人は、「異常なし」の人に比べ、十年後の医療費が三倍以上かかることが十五日、社会保険庁の調査研究で分かった。高血糖とされた人の43%が十年以内に糖尿病になったことも判明。厚生労働省は「運動や食事で生活習慣病を予防すれば中長期的に医療費を減らせることが裏付けられた。健診結果に基づく保健指導を充実させたい」としている。
調査は、中小企業の社員らが入る政府管掌健康保険の加入者のうち、健診受診率の高かった三重県の約二千八百人が対象で、中心は健診時に四十代。平成五年度の健診結果と十五年度の診療報酬明細書(レセプト)を照合した。
それによると、五年度に(1)肥満度(2)血圧(3)コレステロール(4)血糖値−とも「異常なし」だった人の十五年度の医療費総額は平均十四万三千円。これに対し、すべての項目で異常が指摘された人は四十五万一千円に上り、三項目だと二十一万八千円、二項目だと二十万円と指摘されたリスク数に比例して医療費は減少。一項目だけの人は十五万一千円で、異常なしの人と大差なかった。
項目別では、血糖値が「異常なし」の人は平均十六万一千円だったのに、高血糖の人は二十七万一千円と一・七倍。高血糖の人の十年後の糖尿病の発症率は43%と「異常なし」の人の六倍に達し、医療費増につながったことを示している。
高血糖以外では(1)肥満十九万三千円(2)高血圧二十二万五千円(3)高コレステロール十七万六千円−となり、それぞれ「異常なし」の人に比べ一・一−一・四倍だった。
■生活習慣病 食事、運動、喫煙、飲酒といった日常の生活習慣が発症や進行に影響する病気で、糖尿病や心筋梗塞(こうそく)、脳卒中、がんなど。肥満、高血圧、高コレステロール、高血糖は生活習慣病の予備軍で、それぞれの診断値が深刻でなくても、複数の症状があれば「メタボリック症候群」とされ、放置すると糖尿病や心筋梗塞に進む危険性が高い。厚生労働省は「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、5にクスリ」をキャッチフレーズに、生活習慣の改善による病気予防を目指している。
2005.10
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